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としての機能を総合的に担当することを想定しているから、機能の拡大・充実を考えているといえる。 この論点は、府県政府について、地域の課題について総合的な機能を担う「大きな政府」を志向するか、それとも特定の課題について個別的な機能を担う「小さな政府」を志向するかという問題ともいえる。中央政府も含めた3層の政府構造の中間に、中央政府の機能を吸収し、又は市町村の機能を吸い上げて「大きな府県」を配置するか、あるいは市町村に機能を移転して「小さな府県」とするか、ことは個別の論点というよりも、政府制度の設計に関わる基本的事項だと思われる。 さらに、?Bの市町村への関与の論点について、半国家的団体論は、国家的性格を背景として市町村への関与、指導を根拠づけることになろう。市町村連合論は、市町村支援という逆の意味で、市町村への関与が府県の中心的な機能だと主張することになろう。高次団体的性格論も、垂直関係における高次性と行政資源における高次性を根拠として、市町村への関与を位置づけることになる。これに対し、完全自治体論では、連絡調整事務に関して述べたとおり、市町村への関与を位置づけることは理論的に難しい。 この論点は、府県と市町村の関係をどう組み立てるかの問題でもある。府県と市町村の関係を分離・独立したものと捉えると、仮に市町村を支援する目的であり、かつ実質的にも市町村の自由が制約されないとしても、府県の機能として市町村への関与を位置づけることは難しい。しかし、もともと府県と市町村の関係が融合・協調の関係にあると捉えれば、府県の機能として市町村への関与を位置づけることは不自然ではない33)。 (b)府県政府のイメージ−4つの政府像− これら2つの論点を分析軸として、考えられる府県政府のイメージを描いてみると、図1−6及び図1−7のとおり4つの政府像を描くことができる(以下では、国家の機能を一定だと仮定する)。 第1は、総合的な機能を有し、かつ市町村と密接な関係を持ちながらその機能を発揮する府県像であり、これを仮に「総合的調整型政府」(A1型)と名づけよう。この政府像は、地域の課題を広く対象とし、市町村と相互に支援、連携を図りながらその機能を果たす政府である。この結果、市町村自治の自由度は狭まるが、その活動領域はある程度保障される。前述の議論でいえば、半国家的団体論から国家的性格を抜きとった場合の政府像であり、成熟した統治主体論もこのイメージに近い。
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